住職&坊守のおてらダイアリー

スクール・ナーランダ

この週末は、法務・寺務を前住職や寺族に任せ、私は名古屋別院へ行かせていただきました。宗派子ども・若者ご縁づくりが主催する「スクール・ナーランダvol.7」へ参加(お手伝い)するためです。このスクール・ナーランダは10代〜20代の若者を対象とし、仏教をはじめ、科学や芸術、哲学など多様な分野の最前線で活躍する講師を迎え、現代を生き抜く智慧を横断的に学び、双方向に対話する新しい学びの場です。

今回のテーマは「言葉」で、豪華講師陣が集結しました。小鳥の歌の進化から人間言語の起源を探る研究で知られる岡ノ谷一夫氏、そのキャラクターと知性でマルチに活躍の場を広げるモーリー・ロバートソン氏、2022年のNHK紅白歌合戦審査員を務めたことでも話題となったアーティストで僧侶、LGBTQ活動家の西村宏堂氏(オンライン講義)、政治経済・社会問題、文化現象まで幅広く論じる評論家・荻上チキ氏、生まれつき聴覚に障害があるダンサー・鹿子澤拳氏、そして、浄土真宗本願寺派の僧侶・葛野洋明氏と野呂靖氏です。

他者を理解し、共に生きるためのコミュニケーション手段である言葉が、同時に断絶も引き起こしている私たちの世界。そもそも人類はどのように「言語」を獲得したのか、言葉の起源と現在、そして未来のあり方について講師陣のお話を聞き、共に考えました。10代や20代という若い世代の方々が真剣に聞き、また真剣にディスカッションしている姿を目の当たりにし、とても嬉しい気持ちになりました。もちろん受験なども大切ですが、その価値観とは違った「学び」も、これから生きていく上でとても大切になってくると思います。

コロナの影響で約3年ぶりの対面開催となりましたが、各講師が違う分野なのに、なぜか同じようなことを仰っている不思議な感覚を久しぶりに体感でき、様々なことをインプットできた充実した2日間でした。今後、門信徒会例会や色々な折にご紹介していきたいと思います。

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PROFILE

住職 住職

学生時代から海外に興味を持ちアメリカやブラジルへ留学。大学卒業後に京都で仏教を学び、静岡へ戻る。現在は教覚寺の住職をつとめながら、週に1度ブラジル人学校で子ども達に日本語と英語を教えている。子どもや若者とお寺との接点をつくろうと、全国の仲間達と奔走中。

坊守 坊守

仏教の知識は全くないまま東京から嫁ぎ、とにかく奮闘中の2児の母。体を動かす事なら何でも好き。方向音痴で彷徨うのも苦ではないほど。まだまだ未熟者で頼りないですが、「大好きなお寺」と言ってもらえるように、みなさんの声を聞きながら日々励んでいきたいです。

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