住職&坊守のおてらダイアリー

門信徒会例会

 本日1日はお朝事会と門信徒会例会のダブルヘッダー(寺族はトリプルヘッダー)の日。お朝事会には13名が、門信徒会例会にはお昼の座が80名、夜の座が16名、合計96名がご参拝くださいました。

 まずお朝事会は午前7時から。いつものように境内を清掃していただき、正信偈和讃のおつとめです。本日はたまたまですが、先週お聖教を読む会で学んだ『高僧和讃』の天親讃7首のおつとめでした。

 そして門信徒会例会は、今月も法語カレンダーより「いい人 いい雨 いい天気 みんな私中心」という大神信章師の言葉を味わわせていただきました。この言葉は、大神師が御自坊の掲示板に書かれたものだそうですが、掲示板らしく、わかりやすいけれど考えさせられるような言葉ですね。いつも私たちは「自分にとって都合のいいもの」を「いい」と言い、「自分にとって都合の悪いもの」を「悪い」と言っています。この「自分にとって」がどうしても取り除けないのが、私たちの偽らざる姿なのだと仏法は教えてくれています。私たちはこの自分中心から抜け出せないがゆえに、真実なる善も悪も本当はわからないのだということですね。立場が変われば、環境が変われば、時代が変われば、善悪も変わってしまうことが多々あります。

 親鸞聖人も「善悪のふたつ、総じてもって存知せざるなり」と常々仰っていたと『歎異抄』には出てきますし、聖徳太子も「憲法十七条」の第十条でそのことについて触れておられます。

 もちろん、社会で生きていく中で、道徳的、法律的、社会的、いろんな意味での善悪は必要な概念ではあることは言うまでもありませんが、「本当に私が考えている善が善なのか?」「私が考えている悪は本当に悪なのか?」「本当に正しいのか?」という自分自身に対する問いは、常に持っていたいと思います。今月の言葉は平易な言葉づかいではありますが、そのことを私たちに問いかけているような気がします。

 皆さま、ようこそお参りくださいました。有り難うございました。

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PROFILE

住職 住職

学生時代から海外に興味を持ちアメリカやブラジルへ留学。大学卒業後に京都で仏教を学び、静岡へ戻る。現在は教覚寺の住職をつとめながら、週に1度ブラジル人学校で子ども達に日本語と英語を教えている。子どもや若者とお寺との接点をつくろうと、全国の仲間達と奔走中。

坊守 坊守

仏教の知識は全くないまま東京から嫁ぎ、とにかく奮闘中の2児の母。体を動かす事なら何でも好き。方向音痴で彷徨うのも苦ではないほど。まだまだ未熟者で頼りないですが、「大好きなお寺」と言ってもらえるように、みなさんの声を聞きながら日々励んでいきたいです。

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