住職&坊守のおてらダイアリー

10月の門信徒会例会

昨日は10月の門信徒会例会が開かれ、昼の座には75名、夜の座には24名、計99名がご参拝くださいました。本堂のエアコンのリモコンに、室温や外気温が表示されるのですが、昨日昼間の外気温を見ると、なんと34度。10月とはいえ真夏のような暑さの中、多くの皆さまがお参りくださり、有り難いことでした。今年度から宗派の法式規範が改定され、これまで10月1日から冬衣を用いると定められていたものが、「10月中は季節の変動を考慮して、夏・冬いずれの衣を着用してもさしつかえない」となりました。早速この改定を受け、10月の例会も夏衣でお勤めさせていただきました。

今月も、法語カレンダーより「人間が人間だけでやっていく 現代の問題はそこにある」という安田理深師の言葉を味わわせていただきました。私はまずこの言葉を見て、人間が人間だけでやっていくイメージが科学万能主義と重なり、アインシュタインの「宗教なき科学は欠陥であり、科学なき宗教は盲目である」という言葉を思い出しました。科学と宗教は相反するものとして見られがちですが、アインシュタインは宗教なき科学は欠陥であるとはっきりおっしゃっています。そんなアインシュタインが来日した際、仏教について知りたいということで、対談されたのが真宗大谷派の近角常観師で、姥捨山の話を通して、仏さまのお慈悲をお伝えされたエピソードをご紹介いたしました。例会の時には申し上げませんでしたが、実はその近角常観先生の姪御さんが教覚寺の御門徒でいらっしゃり、8年前ご往生されました。
さらにこのカレンダーの法語から、まさに人間が人間という立場の中で考えている限りは、本当の意味で人間というものがわからない、私というものがわからない、ということも考えさせられました。私たちは「死」は終わりとしか考えられませんが、仏さまの見方は終わりではなく「往生」つまり新たな歩みの始まりと聞かせていただきます。人間ではわからないいのちの本当の有り様を、仏さまのご本願に聞かせていただくのがご聴聞であり、宗教的な情操教育の重要性もあらためて感じさせられた、そんな言葉でした。

毎月、例会では仏教讃歌を一曲歌っていますが、今月は報恩講にちなんで「しんらんさま」を歌いました。暑い中、また夜の出にくい中、ようこそようこそお参りくださいました。ありがとうございました。

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PROFILE

住職 住職

学生時代から海外に興味を持ちアメリカやブラジルへ留学。大学卒業後に京都で仏教を学び、静岡へ戻る。現在は教覚寺の住職をつとめながら、週に1度ブラジル人学校で子ども達に日本語と英語を教えている。子どもや若者とお寺との接点をつくろうと、全国の仲間達と奔走中。

坊守 坊守

仏教の知識は全くないまま東京から嫁ぎ、とにかく奮闘中の2児の母。体を動かす事なら何でも好き。方向音痴で彷徨うのも苦ではないほど。まだまだ未熟者で頼りないですが、「大好きなお寺」と言ってもらえるように、みなさんの声を聞きながら日々励んでいきたいです。

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